新たな生活とケア
感染予防をはかりながらも、自粛一辺倒でなく、利用者・入居者や職員等のQOLの維持・向上に努めている取組みを介護・福祉、医療職にうかがいました(15事例)。
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会津磐梯山の見える手作り“ハーモニー神社”で初詣
福島県耶麻郡猪苗代町にあるハーモニー猪苗代では、毎年恒例の鐘つき堂への初詣が中止になったことを受け、何かできることはないかと考え、施設内に手作り神社を設置することにした。いつも何かを作るという時はお客様(利用者)と一緒に作業することが多いのだが、今回は“お客様へのサプライズ企画”にして、気付かれないように秘かに準備を進めた。
大晦日の前日、福島県では“宝の山”と言われる会津磐梯山が見える廊下に、手作りの「ハーモニー神社」を設置した。お客様も職員も感染対策に留意しながら、順番に参拝することができた。何より、新しい年を迎えて自分や家族の健康と幸せを祈る場を作ることができたのは、お客様にとっても職員にとっても喜ばしいことだった。
同事業所は、“やってみんべ”という法人全体の方針により、お客様が喜んでくれること、お客様が楽しめることはどんどんやってみようと、現場レベルで様々なアイデアを形にしている。やってみるからこそ、その手ごたえや反省が生まれ、また次にやりたいことのアイデアも湧いてくる。「コロナを言い訳にはできない」と、自粛一辺倒になるのではなく、お客様の豊かな暮らしの実現を目指して取り組んでいる。
今だからできることを考える! コロナに負けない楽しみの創造 ~昔の映画館に近づけた映画鑑賞会、手作り神社への初詣、餅つき大会、etc.~
福島県郡山市にある特別養護老人ホーム「ハーモニーみどりヶ丘」では、“やってみんべ”という法人全体の方針により、お客様(利用者)にとって良いことはどんどんやってみようと、現場レベルで様々なアイデアを形にしている。2020年4月からは、法人全体として自立支援検討委員会を立ち上げて、各事業所でアセスメントやケアのあり方について検討を重ねるなど、お客様の願いを見出し実現させる取組みをより深化・進化させてきた。
その一環として、ハーモニーみどりヶ丘の自立支援検討委員会が取り組んだことの1つに、施設内での映画鑑賞会がある。お客様の生活歴の聞き取りによる自分史年表作りからスタートし、あるお客様の「昔、よく映画を観ていて、オードリー・ヘップバーンが好きだったの」というところに辿りつき、昔の映画館の雰囲気づくりを目指して『ローマの休日』映画鑑賞会を開催した。
この取組みに限らず、各所で“やってみんべ”と多様な取組みが実践されている。例えば、行事委員会では施設内に手作り神社を設置し初詣の企画をしたり、委員会活動とは別に干し柿作り、焼き芋、餅つきなどのアイデアが職員から出されたりする。ハーモニーみどりヶ丘では、「コロナ禍だからできない」ではなく「コロナ禍だからこそできることをやる」という動きが活発になっている。