新たな生活とケア
感染予防をはかりながらも、自粛一辺倒でなく、利用者・入居者や職員等のQOLの維持・向上に努めている取組みを介護・福祉、医療職にうかがいました(15事例)。
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お花見ドライブ、盆踊り…命と人生の尊さを大切に「ふつう」を守り抜く
合同会社くらしラボは、青森県十和田市で訪問介護や生活支援、デイサービス、小規模多機能ホームなどを複合的に展開している。代表の橘友博さんが大切にしているのは“あなたのふつうを考える”というコンセプト。
2020年春に、近隣で新型コロナのクラスタ―が発生した際の風評被害の大きさに「びびって」、外食イベントや面会を禁止するなど一気に自粛一辺倒になりかかったが、感染対策に配慮しながら、ふだんの彩りと季節折々のお楽しみイベントを着実に積み重ねている。
そのエンジンとなっているのが、橘さんが“スーパーマンみたいな人”と信頼を寄せる介護職員・中村昌昭さんだ。緊急事態宣言下でも命だけでなく「人生」の尊さを同僚に問いかけ続け、4月は回転寿司イベント、5月はお花見ドライブ、7月はそうめん流し、9月は盆踊りとお楽しみ企画の実現に奔走した。
敬老の日のお祝いに行った盆踊りは2020年が初めての開催。地域に伝わるナニャドヤラという踊りの保存会メンバーを慰問に招聘。中村さんも裏方仕事に加え、衣装や被り物に身を包み、盛り上げ役も買って出た。聞こえてきたお囃子に、地域住民らも思わず足を止めて、一緒になって踊り出してしまう嬉しいハプニングも。くらしラボではきっと今日も、利用者さんと近隣住民の笑顔が花開いている。
事業所コンセプトを土台とした溢れる若手のチャレンジ
東京都板橋区で、2020年6月にコミュニティカフェを併設する地域密着型デイサービス・キーステーションがオープンした。コロナ禍での船出となったが、開設準備期から温めてきた、地域商店街の課題をキーステーションが解決するというコンセプトのもと、若手従業員が中心となって様々な取組みを行っている。
利用者が地域課題の解決主体として、またそれぞれの個性を生かしたケアを重視している。若手ならではの着想や取組みと、それを後押しする、組織全体の文化がそうしたケアを可能にしている。