入居者の急逝を機に面会緩和に動いたユニットリーダー
要約
三重県四日市にある特別養護老人ホームかすみの里では、2020年3月から、面会や外出を原則禁止する対応がとられてきた。
そうした中、家族と面会ができていなかった里人さん(入所者)の急逝をきっかけに、それまで面会の緩和に不安の気持ちを持っていた一人のユニットリーダーが、面会緩和に向けた提案を行い、職員や組織とともに実現させた。
こうした現場の職員発のアクションを支えるものとして、かすみの里には、里人さんを第一として、その声を実現に結びつける職員の姿勢や仕組み、現場をバックアップするマネジメントの支援体制がある。
- 特別養護老人ホーム
- 面会禁止
- 面会制限
- コロナ委員会
- 入所者の死
- 面会緩和の提案
- 会議体
- 多職種で検討
- 面会緩和
- 本人主体
- 現場の負荷軽減
- マネジメント層の役割
詳細
インタビュー実施日:2021年2月9日
目次
- 介護職,
- 介護リーダー,
- ユニットリーダー,
- 施設ケアマネジャー,
- 介護施設経営者,
- 介護家族等,
総合福祉施設 かすみの里
特別養護老人ホーム かすみの里
施設長補佐/施設ケアマネジャー
奥田史憲 さんユニットリーダー
野原めぐみ さん
かすみの里
かすみの里は、三重県四日市市にある平成25年にオープンした総合福祉施設だ。社会福祉法人永甲会が運営しており、高齢者福祉だけでなく、障がい者福祉や児童福祉事業にも取り組んでいる。今回はその中で、特別養護老人ホームかすみの里の取り組みについてインタビューをした。
特別養護老人ホームかすみの里(以下:かすみの里)は、ユニット型指定介護老人福祉施設として、8つのユニットを運営をしている。施設入居80人、ショートステイ10人の定員だ。
かすみの里では、入所者のことを、親しみを込めて「里人(さとびと)さん」と呼んでいる。一人一人の意思や人格を尊重して、地域や家族との結びつきを重視した運営に努めているという。しかし、かすみの里でも、2020年春に新型コロナウイルスの影響を受けて、面会や外出を全面禁止にするなどの対応を行った。
そのような中で、一人の里人さんの急逝を機に、面会緩和の実現に向けて起点となったユニットリーダーの野原めぐみさんと、施設長補佐で施設ケアマネジャーの奥田史憲さんにその取り組みの背景や経緯などについてお話を伺った。
入職のきっかけとかすみの里のケア
ユニットリーダーの野原さんは、介護系の学校を卒業後、かすみの里に就職して特養に配属され、そのまま今日に至るそうだ。参加した就職フェアに出ていた永甲会の話を聞いたことが就職のきっかけだ。「里人さんと職員の距離がとても近くて、一緒に生活するということを大事にしている職場だと感じまして、ちょうどかすみの里がオープンするということだったので、それもあって就職を決めました」と職場への第一印象を語ってくれた。現在は8ユニットあるうちの1ユニットリーダーとして、10人の里人さんを5人の職員で担当している。
かすみの里のケアについて野原さんに伺ったところ、何をするにしても、職員は里人さんがやりたいことを第一に、一緒に行動して、一緒にゆったりする時間を過ごすということを大切にしているという。思いやりを持って接するということを野原さん自身もリーダーとして大切にしているそうだ。
普段のケアでも、職員が里人さんの声を拾うと皆で共有して、「どうすればできるか」という本人のニーズベースでケアを進める環境や雰囲気があるという。
面会・外出全面禁止の初期対応
次に、新型コロナの広がりに対して、施設としてどのような対応が進められたのかを伺った。施設で職員への行動や里人さんへ具体的な対応が始まったのは3月中旬頃だった。当時はコロナ自体の情報が少なく、どう対策をしていけば良いかも全くわからない状況だったという。そうした中で、経営層から面会や外出の禁止、職員の不要不急の外出はしないようにといった指示が現場に降りてきたそうだ。
「当時は見通しが立たない中だったので、ご家族にもお便りを出したり、面会がいつ緩和されるか分かりませんと電話をしたことを覚えています」と、野原さんはその頃のことを話してくれた。当時はまだオンライン面会などの対応もできていなかったという。初期の頃は経営層から面会や外出の制限や禁止が指示されるのは一般的な対応だっただろう。野原さんたち現場も違和感なくその対応を受け入れていたそうだ。
コロナ委員会の招集
4月の緊急事態宣言が出て間もなく、行政情報や各機関、インターネットを含めて、新型コロナ関連の情報を集めていた奥田さんや施設長、看護師リーダーらの招集で『コロナ委員会』が始まった。
奥田さんはコロナ委員会の開催目的と背景をこう話す。「意思決定と伝達の場所がなかったんです。当時は奥田が言った、医務が言った、施設長が言ったとバラバラになっていることがありました。現場からの質問にその場で私が答えるとそれが正しい指示になってしまっていました。これはまずいと思って、委員会での意思決定を基本の流れにする体制を作りました」
コロナ委員会の構成は、施設長、奥田さん、看護師を基本に、各リーダーやサブリーダー、多職種である。開催当初は月に2回ほど開催し、集中的に対策を検討したりしていたという。現在は負荷軽減の意味もあり、月に1回の開催だそうだ。奥田さんや施設長、看護師らは継続して、感染症関連の最新情報を収集して、コロナ委員会の意思決定の精度を高めることに努めている。
野原さんは「コロナ委員会で、みんなで考えたり、何に気をつけていければ防げるかということが話し合われました。数ヶ月経ってくると、知識も蓄えられて、少しずつ日々の対策が見えてくるようになりました」とコロナ委員会の効果を話してくれた。また、コロナ委員会には現場を代表する人が出席してはいるが、委員会開催前に現場の職員の不安や意見、質問などを事前に集めて、検討するという体制だったという。現場の声を元に全体で検討する会議体であることが伺える。
こうしてコロナ委員会を軸に、各ユニットや大小会議体で、感染症対策についての情報共有や勉強会、研修などが行われ、少しずつ施設全体に対応力が備わっていったそうだ。
面会制限の緩和と制限の行き来
コロナ委員会や少しずつ蓄積される情報、また緊急事態宣言が解除されたこともあり、面会の制限は段階的に緩和されていった。
奥田さんは「7月くらいに県内のご家族は面会できるようにしました。面会時間を10分にしたり、マスクや基本的な対策をした上で。あと、看取り期の方に関しては4月の段階から面会できるようにしていました。加えてオンライン面会も始めましたね」と、条件や状況を鑑みながら、段階的な緩和や代替策を講じていったそうだ。
しかし、その後いわゆる第二波と呼ばれる8月頃に再度、面会を全面的に禁止する措置を取ったという。ただ、看取り期の方の面会やオンライン面会は継続していたそうだ。
面会制限中の里人さんの死
さて、ちょうどその第二波の影響で面会が再度制限されていた頃、野原さんのユニットで一人の里人さんが亡くなられた。看取り期でもない比較的お元気な方だったという。その為ご家族との面会はしばらくできていなかったようだ。
「本当に亡くなる直前までお元気に暮らされていました。本当にぱたっと急に逝かれてしまいました」と野原さんは振り返る。「オンライン面会も始めていた時期だったので、その方も『(ご家族の)顔見たいわ。会いたいな』っておっしゃっていた中だったんです。でも私はその時にすぐ行動ができなくて、ご本人の言葉に対して『じゃぁ、またにしましょうね』っていう風に、ちょっと流してしまっていた部分があったんです。私はそれが後悔してもしきれなくて、本当に申し訳ないことをしてしまったなと思いました」と、その時の気持ちを明かしてくれた。
実は当時の野原さんは、どちらかというと面会の緩和に反対する立場だったという。面会を緩和するのは感染リスクを広げるので危ないのではないか、ということを言っていたそうだ。しかし、最期に会いたかった家族に会えないまま亡くなった里人さんと、その声に応じられなかった自分の経験から、気をつけるべきことを徹底すれば、できることはあるはずだと考えが変わったそうだ。「その方のことがきっかけで、またこれ以上同じ思いをさせる人を増やしたくないと思ったんです」
面会緩和に向けたアクション
かすみの里では、日頃から亡くなられた里人さんのことを振り返る機会があるという。家族との面会ができずにこの世を去ったその方についてもユニット会議で話し合われたという。「会議の中でも、家族さんに会わせてあげたかったっていう声が職員から出たんです。私も一緒の思いで、それをコロナ委員会に上げていこうとなりました」と野原さんはいう。
第二波の中、面会の緩和について反対意見がなかったのか尋ねたが、職員からはそうした声は上がらなかったという。野原さんは「少しずつですが、コロナウイルスに対しての意識や基本的な感染症対策についての知識が職員も身についてきていたんです。きちんとやるべきことをすれば大丈夫だよね、という意見がその時は強かったです」と、春から続けてきた様々な職員教育等が着実に浸透してきたことを野原さんは実感したと話す。
そうした現場の声を持って、野原さんはコロナ委員会で面会緩和の提案をするに至ったそうだ。委員会では様々な話し合いがなされて、面会緩和に向けての具体的な対策や方法について検討されたという。
その具体的な取り組みの一つが、感染対策イラストの作成だ。
面会をする中で気をつける場面について、それまで文字だけで掲示していたものをわかりやすくイラストにしたものだ。サブリーダーの介護職員がまとめてくれたもので、感染症対策の基本事項について職員はもちろん、面会に来る家族もイラストをパッと見て意識できるように工夫したものだという。
これは、得意なことを生かしてもらおうと奥田さんがその職員に頼んだことだそうだ。それぞれが主体的に面会緩和について取り組む働きかけを作ることで、提案の実現可能性を広げる工夫をしたようだ。
面会の緩和へ
そして、9月中旬に感染症対策を講じた中で面会が緩和された。
写真は面会緩和初日に来所されたご家族の面会の様子だ。オンライン面会は何度かされていた娘さんだが、やはり直接肌が触れ合う距離での親子の面会は立ち会った奥田さんらも感動が違った。大好きなパンダのぬいぐるみと手紙を直接手渡せたことで、ご本人もとても喜んでいたという。娘さんが帰った後も、ユニットの玄関先までご本人はお見送りをされたそうだ。
ご家族は「母に会えたことはもちろんですが、ユニットに入れたこと、母の部屋に入ることができたこと。そしてスタッフの皆さんにお声がけできたことが嬉しかったです。いつもいつもありがとうございます」とメッセージが届いたという。そして「かあさん、元気でいてくれてありがとう」という言葉が添えられていた。
もちろん、全てが順調ではなかった。面会の緩和にあたり、それぞれの家族に連絡をした際、面会緩和を不安視する家族の声もあった。野原さんはそうした不安の声に対して電話をかけて、リスクも含めて自分たちの考えと施設側で備えている対策について丁寧に説明をしたという。その結果不安の思いを抱いていた家族も安心して面会に来てくれたそうだ。
その後、面会体制は、条件付きで緩和された状態で継続してきた。しかし、2021年初めに出された第二回目の緊急事態宣言では、対象の都府県からの来所は制限する対応を再度行ったという。また、三重県では2021年1月14日から独自の「緊急警戒宣言」が発令されている。これを受け、かすみの里ではその時点から現在まで、再度看取り期の方以外は面会を制限する状態にした。近隣の感染状況も踏まえ、コロナ委員会などで検討しながら判断をしているという。しかし、今後も面会緩和に臨んだ経験を生かし、緩和に向けた動きを模索していくようだ。
寿司が食べたい
さて、面会緩和の取り組みについて伺った後、こうした現場発の取り組みや工夫について他にも取り組んだエピソードを聞いてみた。野原さんからは寿司デリバリーのエピソードが出てきた。
「コロナ前は外出もしていました。それが出来なくなり、食べたいものも食べられないということで、『お寿司が食べたい』という里人さんの声が上がっていたんです。職員で話し合って、奥田さんや看護師の人にメリットや対策を話して、夏場ということもあり各専門職の力を借りながら開催しました」と野原さんは話す。
感染予防の基本は徹底しつつ、対面の席になることへの対策として、ビニール袋を切って繋げて里人さん同士の顔が見える形で外食の雰囲気を作ったそうだ。対策をする中でも、職員が感染症に対する勉強を重ねているため、色々なリスクへの気づきと、対策の意見が出たという。
里人さんは楽しみにしていたお寿司を食べられてとても喜んでいたそうだ。
調理という日常を継続する
他のエピソードとしては、カレーライスづくりがある。もともとかすみの里では里人さんによる調理を実施しており、コロナ禍でも基本的な感染症対策を行いながら、日常生活を継続することを大事にしている。
「他のユニットの人から『カレーが食べたいという声が上がっていましたよ』という情報をもらって、みんなで作ってみました。食事がなかなか進まない人でもカレーは召し上がられるんですよね。作りやすいこともあり、みんなで取り組みました」と野原さんは言う。
ユニットを超えて、日頃から里人さんの声をキャッチして、職員で共有する雰囲気がかすみの里には根付いている。野原さんは「里人さんの声を大事にすることは、リーダーをする中で目指していることです。職員にもそうした気持ちを普段から持とうと伝えています。時々私突っ走っちゃうところがあるんですけど、多分奥田さんや上の人も私たちに里人さんの声を大事にすることを伝えてくれているので、それは自然な感じなのかなと思っています」と話してくれた。かすみの里で大事にしているケアの理念が現場に伝えられている様子が伺える。
現場の声が上に届く
かすみの里では里人さんの思いを職員が聞き取り、それを共有して実現しようと職員間で話し合う。そして、必要であれば、ユニット会議やリーダー会議といった会議体で具体的な検討を行い、全体で実現を模索するという仕組みがある。またそうしていこうとする理念や行動が職員に浸透しているようだ。
奥田さんは「難しいことは施設長がいてくれるので、現場の困りごとを聞いて改善していくのが僕の役割ですね」と言う。「里人さんのことや、感染症のことでも、みんなで検討していく場や仕組みは、施設の基盤として当初から作っていったところです」と現場職員が里人さんのやりたいことを叶えられるためのマネジメント側のバックアップ姿勢について話してくれた。
施設マネジメントの役割
奥田さんは職員の負荷軽減を積極的に行うようにしているという。
「負荷を取った分、里人さんと向き合う時間をきちんと取ってねという、交換条件みたいなものをいっぱい出していますね」とあくまでも里人さんと向き合うことを介護職の役割として、それを阻害する要因はできる限り取り除くことを意識しているそうだ。小さな事例としては、食器を洗う一部作業を介護職から厨房職員に託したことがある。「これがなくなったらちょっと楽になることってある?って聞いて、現場で求めることをするんですね。だからその分里人さんと向き合ってもらうんです」と奥田さんは話す。
野原さんからは記録ツールのICT導入が現場の大きな負荷軽減につながったと話があった。「リーダーになるとパソコンの前にいることも増えて、夜遅くまでかかることが多かったです。記録ツールにICTを入れる時、最初は私も慣れないことがありましたけど、今ではこっちの方が良くなりました。記録にかかる時間についても負荷を取ってくれました」
施設側が現場負荷の軽減に取り組むことに積極的であることが伺えた。
奥田さんに現場を応援するためのマネジメントの役割について聞いてみた。
「現場の声がやっぱり主ですよね。その声を実現させることが自分たちの役割だと思っています。もちろんそれをそのまま上に伝えても通りません。だから、施設にとってもきちんと理屈を持って提案します。通らない時ももちろんあります。その時は何回も提案の仕方を変えてやりましたね。給食業者を変えた時は、導入している奈良県の施設さんまで栄養士さんと見学へ行きました。費用対効果など2、3年かけてプレゼンしました」と、様々な面で、里人さんや職員の声を吸い上げて実行してきたことについて話してくれた。
野原さんは「本当に里人さも職員も同時に大事にしてくれています。話は聞いてくれますが、無理なら無理で納得させてくれるような理由を話してくれる。納得できるまで向き合ってくれてると私自身は感じています」と奥田さんの姿勢を笑顔で補足してくれた。
このような現場をバックアップするマネジメントの支援体制や現場の声を拾い上げる仕組みがあるからこそ、理念を実践しようとする現場職が様々な取り組みを行えているのかもしれない。
苦労したことは伝え方
ここまで話を伺って、野原さんに、面会緩和を始め、様々な取り組みを行うにあたって苦労したことは何かを聞いてみた。野原さんは苦労したことというよりも、他の職員に納得してもらえるような説明をすることを一番に考えたという。「施設全体が里人さんがやりたいことにまず寄り添うということがあるので、始めからなんでも駄目、あかん、無理という声は上がってないです」という。「やりたいからやる」ではなく、環境や状況も踏まえて、職員が同じ方向を見て納得できるように伝えることを頑張ったというのが野原さんの実感のようだ。
かすみの里では、始めから否定されたり頭ごなしに反対するのではなく、里人さんのためという理念が共有されているため、職員の間でまずは相手の意見や提案を聞こうとする姿勢があることが伺える。
目指すリーダー像と目標
野原さんに、ご自身が大事にしていることや目指すことについて聞いてみた。
「やっぱり一番は、里人さんがかすみの里で暮らしていて、楽しいって思ってもらえることです。そして『ここの暮らしも悪くないな』と思ってもらいたいと思っています」
今現在ユニットリーダーとして活躍する中で、メンバー職員との関わりで大事にしていること、目標についても聞いてみた。
「まずは、全てにおいて思いやりだと私は思っています。だから本当にその人のことを思って、職員が里人さんに寄り添えるようにしていきたいと考えています」「目標については、私がいなくても個々の職員がそれぞれの視点を生かしながら動けるようにしていきたいと思っています。私のユニットではなくて、みんなで作るユニットという形にしていきたいんです」と笑顔で話してくれた。
最後に奥田さんにも大事にしていることについて聞いてみた。
「基本的な介護が弱くなってきてしまうので、爪が伸びていないかとか、整容が行き届いているとか、そうしたことを丁寧にできているかどうか。そこをもう一回やっていきたいです」
お話を伺って
コロナ禍において、施設の面会というのは全国で多くの関係者が頭を悩ませていることだと思います。クラスターに発展するかもしれない大きな判断です。一方でそこで暮らす利用者にとっては、家族と会える会えないという基本的ニーズに関わる大きなことです。
かすみの里も当初から面会の一律制限や段階的緩和、第二波の影響での再度の制限などがありました。そうした中で、一人の里人さんの急逝をきっかけに野原さんが職員と想いを共有し、コロナ委員会へ面会緩和の提案を行い、面会緩和の実現へ至りました。
その背景には、野原さんら現場の職員の思い、里人さんの声を汲み取ろうとする姿勢、そしてそれを共有し、応援しあう職場風土が大きかったのではないかと思います。同時に、そうした職場風土を醸成するために、奥田さんのようなマネジメント層が、現場職としてのあるべき姿を伝え続け、それを単なる精神論に終わらせず、それを具体的に実践できるように、現場負荷を取り除いたり、必要なコロナ関連の情報を集めて組織的に対策を講じること、施設における会議体などの仕組み作りなどがあることも大きいと思います。
良い現場ではなく、良くあろうとし続ける組織は、こうした現場とマネジメントの両方が共に同じ方向を見て歩むことで実現するのだろうと感じました。
言葉にすることは簡単ですが、この実現が本当に大変なのが今の介護現場ではないかと思います。かすみの里さんのような利用者本位の丁寧な取り組みが、コロナ禍であっても豊かな生活を諦めないために大切なことなのではないでしょうか。
■参考 総合福祉施設 かすみの里 ホームページhttp://www.eiko-kai.jp/kasumi/
インタビュー担当:金山 峰之
記事担当:金山 峰之